ピナシキ社の起原
知本社始祖の孫カラムダンはマルアピットと夫婦となり、其間にパウニンという男児を得、マエダタル・サパヤン家の娘ルグルグの婿となりしが(夫婦の間にマルアピット(男)アルシアン(男)ティママン(女)アリワヌス(男)プッヒヤン(女)の五児を挙ぐ)、此パウニンは狩猟の都度、ラタラタイを通過せしに其地味頗る肥え耕地に適するを見て、畑を拓きたるに作物良く生長せしかば、漸漸耕地を拓き、遂に住家建築の必要に迫り、時の頭目ドゥアイに相談し、移住の可否を計り、其承認を得たれば、一家を挙げて移住したるを同地の開祖とす。
ピナシキは元来パシキシキの転化せしものにして、パシキシキは此地が緩斜面をなせるより、「上る」というを採りて附けたるものとす。ラタラタイは「ラタラタイ」樹多きより付けたる地名なり。
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今回もピナシキ社について。
やはり『慣習調査』と『系統所属』の伝承は異なっています。
「知本社出身の移住者が、卑南社から独立してピナシキ社を創始した」というのは同じなのですが。
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知本社出身の移住者=ピナシキ社開祖の名前は前回今回の二つの事例でも似ています。
『慣習調査』「パウニン」『系統所属』「Paonin」。
ただ『系統所属』「Paonin」が卑南社に移住したのは「知本卑南戦争」の仲介役をしていたからであって、卑南女性と結婚して婿入りしたからではありません。「Paonin」は卑南社移住後結婚しますが、その妻はタマラカオ社出身の「Luglug」という女性でした。
一方、卑南女性と結婚して知本から卑南へ婿入り移住したのは「Ingvil」でした。前回『系統所属』事例では妻の名は「Lungangan」。
その家名は、伝承中には記載がありませんでしたが、『系統所属』知本社系譜によると「Ingvil」が結婚したのはSapayan家の女性(名称不明)となっています。
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・・・これはひょっとすると、今回の『慣習調査』事例を語ったインフォーマントは「パウニン=Paonin」と「Ingvil」を混同?していた可能性がありますね。
『系統所属』
「paonin」=「タマラカオ社のLuglug」・・・戦争仲介のために移住
「Ingvil」=「Sapayan家のLungangan」・・・婿入り
『慣習調査』
「パウニン」=『Sapayan家のルグルグ』・・・婿入り
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分社の理由はやはり「優良な耕作地の開拓」ということになっています。
地名に関しては「(緩斜面を)上る」という単語が変化したとしていますが、確かにピナシキ社は卑南社から見ると山側へ少し入った場所にあります。
まあピナシキ社までなら実際にはそれほど「上っている」感覚はありませんが。
上述した以外の人名については『系統所属』系譜を見ても確認できませんでした。『系統所属』系譜はあくまで主要頭目家のみを記しているので。
また発音表記の差異も大きいですから、似た名前に見えてもそれだけでは確定できません。
「ラタラタイ樹」というのもオンライン辞典で調べては見ましたが、それらしい単語は見つけられませんでした。
ピナシキは元来パシキシキの転化せしものにして、パシキシキは此地が緩斜面をなせるより、「上る」というを採りて附けたるものとす。ラタラタイは「ラタラタイ」樹多きより付けたる地名なり。
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今回もピナシキ社について。
やはり『慣習調査』と『系統所属』の伝承は異なっています。
「知本社出身の移住者が、卑南社から独立してピナシキ社を創始した」というのは同じなのですが。
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知本社出身の移住者=ピナシキ社開祖の名前は前回今回の二つの事例でも似ています。
『慣習調査』「パウニン」『系統所属』「Paonin」。
ただ『系統所属』「Paonin」が卑南社に移住したのは「知本卑南戦争」の仲介役をしていたからであって、卑南女性と結婚して婿入りしたからではありません。「Paonin」は卑南社移住後結婚しますが、その妻はタマラカオ社出身の「Luglug」という女性でした。
一方、卑南女性と結婚して知本から卑南へ婿入り移住したのは「Ingvil」でした。前回『系統所属』事例では妻の名は「Lungangan」。
その家名は、伝承中には記載がありませんでしたが、『系統所属』知本社系譜によると「Ingvil」が結婚したのはSapayan家の女性(名称不明)となっています。
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・・・これはひょっとすると、今回の『慣習調査』事例を語ったインフォーマントは「パウニン=Paonin」と「Ingvil」を混同?していた可能性がありますね。
『系統所属』
「paonin」=「タマラカオ社のLuglug」・・・戦争仲介のために移住
「Ingvil」=「Sapayan家のLungangan」・・・婿入り
『慣習調査』
「パウニン」=『Sapayan家のルグルグ』・・・婿入り
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分社の理由はやはり「優良な耕作地の開拓」ということになっています。
地名に関しては「(緩斜面を)上る」という単語が変化したとしていますが、確かにピナシキ社は卑南社から見ると山側へ少し入った場所にあります。
まあピナシキ社までなら実際にはそれほど「上っている」感覚はありませんが。
上述した以外の人名については『系統所属』系譜を見ても確認できませんでした。『系統所属』系譜はあくまで主要頭目家のみを記しているので。
また発音表記の差異も大きいですから、似た名前に見えてもそれだけでは確定できません。
「ラタラタイ樹」というのもオンライン辞典で調べては見ましたが、それらしい単語は見つけられませんでした。